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DIDO&AENEASの思い出

2019年オペラ「ダイドーとエネアス」講演から3年が過ぎてしまったものの、ここで懐かしく思い出しつつ、公演の詳細と思い出を綴らせていただこうと思います。

2019年5月6日14時開演。於富山市民プラザアンサンブルホール。

「梨ばろっこ2019ダイドーとエネアス」

演出・台本・字幕・魔法使い/ 牧野正人

指揮/ 櫻井茂

演出助手/ 室田勝

舞台監督/ 広田郁世

ステージマネージャー/ 廣田雅史

英語指導/ ティモシー・ハリス

衣装/ 山崎みずえ

=出演=

ダイドー/ 安田裕美

エネアス/ 渡辺洋輔

ベリンダ/ 森下泉

第二の女(ジェローナ)/ 浜田智美

第一の魔女(フリンケ)/ 谷口琴音

第二の魔女(フランカ)/ 高信由記子 

合唱/ ヴォーカルアンサンブル30

器楽:ヴァイオリン/荻野美和 時本さなえ

   ヴィオラ・ダ・ガンバ/ 折口未桜 清水愛架 阿部真紀子

   リコーダー・フラウトトラヴェルソ/ 丸杉俊彦

   チェンバロ/ 安岡厚子

 

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演出・字幕・脚本・魔法使い役   牧野正人氏

牧野氏は八面六臂の活躍でした。わずか60分たらずの作品をさまざまな工夫を凝らし、私たちが楽しむのに無理のないストーリーを練り、役を作り上げ、そして演出をし、さらに字幕の制作。ステージでは魔法使いの役。牧野正人氏は本当はおばあさん?だったのか、、と思うほど、それは圧巻の魔法使いでした。

そして、オペラ初挑戦の超初心者の私たちに、オペラがなんであるかオペラのツボ?をもったいぶらず惜しげもなく伝えてくださいました。オペラは練習が最高におもしろいんだよ!と作り上げる過程の困難さを喜びに変える音楽力、人間力に触れることができて私たちは幸せだったと思います。

確かに牧野氏の指導はいつもどこか自由で、笑いがあり、自分の気のついたことを気兼ねせず皆に発言できるユルさがあって、作品を自分たちで作っている実感を持たせてくれました。

しかし、この自由さは実は牧野氏から与えられていたものだということに気づき、感謝できたのは公演後しばらくしてからでした。右も左のわからない私たちがオペラに取り組めたのは牧野正人氏の協力を得られたからだと言っても過言ではないと思います。

 

公演に先駆けて行われた牧野正人氏による合唱のためのオペラワークショップの様子。オペラの発祥、ファルネリの登場による隠された悲話、そして歌舞伎のお話へ。枝葉を含んだオペラの歴史のお話に夢中に聴き入りました。また、身体表現のワークショップでは仮面つけて表情を隠し、動作のみで表現する面白さを満喫。

 

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ヴィオラ・ダ・ガンバを指揮棒に持ち替えてくださったのが櫻井茂氏。

 

器楽奏者たちは地元富山メンバーと東京、名古屋などから駆けつけてくれるメンバーからなっていましたので、常に一緒に練習ができるわけではなく、限られたリハーサル回数の中で音楽をまとめなければなりませんでした。しかし、櫻井氏の要点をついたアドバイスで方向を見失うことなく、また、歌に造詣が深い櫻井氏でしたので歌い手たちの拠り所でもありました。なによりも作品の正統な解釈をお持ちだったことが公演を骨格のしっかりしたものにさせました。

 

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そして、英語指導のティモシー・ハリス氏。

 

目の前で、聞いたハリス氏の「ダイドーとエネアス」の歌詞の朗読は、生き生きとしたリズム。旋律と言葉の仰天するほど完璧な密接さ。パーセルの音楽の素晴らしさを改めて実感させるものでした。・・・そして、そっと、パーセルもいいけどカンピオンも素晴らしいよ、とも。

英語の美しさと教えてくださいました。そして、本番の直前にいただいたメールには「Toi Toi Toi !」

ありがとうございました。

 

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オペラを製作するにあたってステージに上がるメンバーとおなじように、それを支えるスタッフの役割はとても大きいというのもこの公演で深く実感したことでした。

演出助手を務めてくださった室田勝氏。

普段の練習のパートナーとして、そしてダンスの振り付けも考えてくださり、温かくしかも楽しく指導をしてくださいました。ちょっとした身体の動きだけではなく、ただ立っているだけ、ただ座っているだけでもちょっとした工夫で色々な感情が表現できることを具体的に学びました。音楽、歌だけに偏りがちで?お芝居は未経験、ダンスも未経験という私たちに寄り添い、私たちが本番までモチベーションを下げずに練習を続けられたのは地元の室田勝さんの存在がとても大きかったです。

 

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牧野氏のイメージを忠実に私たちに伝え、
辛抱強く練習に付き合ってくださいました。

 

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舞台監督 広田郁世氏。

当日の照明、そして大道具、小道具。全て広田さんにおんぶに抱っこでした。咄嗟の対応が神がかっていて、例えば、合唱メンバーが仮面をつけるかどうかを検討していたときにささっと作っていただいたマスク。ピクニックシーンでは籠があったほうがいいといえば、つるで編んだ籠を。ワインの瓶があったほうがいえば古いワイン瓶を。そして、船乗りが歌うシーンには船があった方がいい、「はい」。魔女の洞窟のシーンはこんなイメージ、「はい」。ラストシーンのお墓となる紙箱が欲しい、「はい」。万事がこのような感じでした。全てにわたって満足のいくものを準備してくださった広田氏の対応力には脱帽でした。

 

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検討段階にも関わらずすぐに11人分のマスクを用意してくださったのには感激しました。

 

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衣装は全て山崎氏による手作りでした。一人ずつ採寸し、着やすいように作られ、ドレスだけではなく帽子から帯にいたるまで、細かな配慮の行き届いた衣装した。18人分の衣装をお一人で短期間で作られたのですから本当に大変だったと思います。ありがとうございました。

 

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自らのアイデアを牧野氏へ伝える山崎氏

 

エネアス役渡辺洋輔さんの仮縫いをする山崎氏

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